「伝統的な日本食」カテゴリーアーカイブ

情報が氾濫する現代の食事情

健康に毎日の食事が大きく関わっていることは誰もが知っていることですが、どのような食事が健康に結びつくのか、誰もはっきりしたことは分かっていないのが現状でしょう。

もちろん、日々、食生活について研究している人もたくさんいるのですが、どれも断片的で連結性や統一性がなく、また民族の関連性にも及んでいません。

第二次世界大戦後、日本は欧米型の食生活に大きく転換しました。

食糧事情の悪い日本はユニセフから脱脂粉乳の援助を受け、成長期の子供たちのために学校給食で脱脂粉乳が毎日、供給されました。

乳製品にはカルシウムが豊富に含まれているから成長期には欠かせない飲料である、という理由で。

もちろん現在も牛乳はカルシウムがたっぷり入っているので飲用が勧められていますが、その一方で牛乳を過剰摂取すると余分なカルシウムを体内が排除してしまうため必要なカルシウムまで尿に溶けて出てしまい、返ってカルシウム不足になる、という研究も発表されています。 続きを読む 情報が氾濫する現代の食事情

日本人は腸が長いってホントの話?

日本人は米や野菜を主食にしていたから、肉食が中心だった欧米人に比べて腸が長い、という話を聞いたことがありませんか?

食物繊維は腸内に長く留まっているため腸が長くないと消化できず、それに比べて肉は消化しやすく、しかも長時間腸内にあると発酵してしまうため、肉食が中心の人種は腸が短い、と。

したがって日本人が肉食中心の生活になると腸内にガスが溜まりやすく病気になりがちになる、などという説が巷に出回っています。

とある製薬会社のHPでは、

「日本人は7m、欧米人は4m。何の長さかお分かりですか?実はこれ、腸の長さ。日本人の腸の長さは穀類中心の食生活の長さに、欧米人の腸は肉類中心の食生活に適した長さになっているんです」 続きを読む 日本人は腸が長いってホントの話?

穀類だけではなかった日本人の食事

腸の長さは日本人より欧米人の方が短い、という根拠に、日本人は穀類を食生活の中心にしていたから、と異口同音に唱えます。

これ、実際に腸の長さを知らなくても少し考えれば根拠がないことに気が付きますよね。

日本における農耕の歴史は弥生時代からで、獣肉が禁忌とされたのは江戸時代です。

縄文時代は狩猟による獣肉を食していましたし、その後の歴史でも獣肉の食習慣がまったく消えることはありません。

家畜を食さない習慣があったのは家畜を農耕に利用するためで、獣肉が禁忌とされていた時でも家畜はダメだが狩猟で食することは構わないとされていました。

獣肉の禁忌は仏教の伝来、さらに徳川綱吉が発令した生類憐れみの令によって浸透しましたが、浄土真宗の開祖法然は「魚や鶏や鹿を食することは食べない方がいいが、この世ではやむを得ないこと」と説いており、仏教でも獣肉の禁忌について異なった解釈があります。 続きを読む 穀類だけではなかった日本人の食事

第二次大戦後から今も続く食事情の混乱

繰り返しますが、日本の食生活が変化したのは第二次世界大戦後のこと。

さらに言うなら世界中の食生活が変化しました。

欧米人、と一括りにしますが、欧米諸国すべてが肉を中心とした食生活を営んでいるわけではなく、また肉料理中心の食生活は貧富の差によっても変わってきます。

スイスのように山岳地帯が中心の国では酪農による乳製品(つまりチーズですね)と隣国から入ってきたパスタによる伝統料理が多くありますし、逆にドイツのように豚肉、鶏肉、牛肉を大量に消費する国もあります。

ドイツの場合、連邦国家なので地方によって肉料理も大きく変わりますが、ソーセージやハムのように保存食にしてまで食していることが大きな特徴です。

欧米だけでなくアジアでも穀類から肉料理までさまざまなバリエーションがあるのはご承知の通り。 続きを読む 第二次大戦後から今も続く食事情の混乱

健全と言われる食生活の基本が生まれた背景

1968年、アメリカの食事情を調査する機関が発足、議長に着任したジョージ・マクガバン氏にちなんで、この委員会はマクガバン委員会と呼ばれました。

本来、低所得層の飢えが社会問題となっていることから栄養と所要量に関する調査を行っていたのですが、調査を進めていくうちに深刻な違う問題に突き当たります。

アメリカ人の10大死因のうち6つの病気が食生活に関わっており、栄養の問題は栄養不足だけでなく、栄養過多にも重大性があると発表しました。

炭水化物の比率を全カロリーの55~60%に増やす、現在40%の脂質を30%に減らす、飽和脂肪酸を10%に減らす、コレステロールを1日300mgに減らす、砂糖を15%に減らす、変分を3%に減らす、と食生活で病気にならないための指針を6項目挙げました。

コレステロールや脂質、砂糖や塩分を控えめにするという現在の健全と言われる食生活の基本がこの時に生まれたのです。 続きを読む 健全と言われる食生活の基本が生まれた背景

アメリカの食文化が日本を席巻した時代

戦争で疲弊した国は、すべて食生活の荒波に揉まれてきました。

日本の食生活が欧米スタイルを積極的に取り入れたのも国民に栄養をつけさせて社会的基盤を早く確立するためでしたが、同時に戦勝国の新たなマーケットとなったことは言うまでもありません。

アメリカ文化が一気に流入し、そのなかにはコカ・コーラとハンバーガーがありました。

筋ばかりの固いステーキは、それでも初めて食べる味がありました。

朝食にはパンと牛乳とバターが用意され、さらにピーナッツバターやストロベリージャムをこってり塗るような食生活を送り始めたのです。

今、さすがにこんな高カロリーの朝食を摂る人は少なくなっているでしょう。

コカ・コーラとハンバーガーの過剰摂取に対する警告も聞かれるようになりました。 続きを読む アメリカの食文化が日本を席巻した時代

飽食のアメリカからやってきたマクロビオティック

健康的な食生活を送るための方法としてマクロビオティックがよく取り上げられます。

カタカナで書くといかにも外来種のように思われるでしょう。

実際、日本にはアメリカからこの名前が入ってきました。

広まったのは1980年代。

つまりアメリカでマクガバン・レポートが発表され、それを解消するかのようなマクロビオティックがアメリカで一気に広まり、日本へ入ってきました。

じつはこれ、逆輸入なのです。

マクロビオティックの考案者は日本人の桜沢如一氏。

1929年に渡仏、1960年代に渡米し、アメリカで広めました。 続きを読む 飽食のアメリカからやってきたマクロビオティック

いろいろな制約を持つマクロビオティック

マクロビオティックでは陰陽のバランスが取れた食事を推奨しており、中庸に値するのが玄米。

マクロビオティックには食物だけでなく世の中の万物を陰陽に分ける無双原理という思想的な一面もあるため、妄信的な推進者が玄米と水だけという極限的な食生活を送ったことから栄養失調に陥り、死に至ったケースが見られました。

それまで肉類を好んで、大量に食べていた人が急激に食生活を変化させることで生体的にどのような問題が起きたのか、また精神的にどのような作用が起きたのか知る由もありませんが、栄養的に見れば誰が考えても死に至って不思議ではありませんね。

もちろん、現在はそんな過激なことをする人は見当たりませんが、それでも日本のマクロビオティック日本CI協会が掲げる食養概念は未だストイックな部分が見られます。

たとえば、食品の品質基準としては身土不二の理念から国内産、しかも自産自消が望ましいこと、旬の野菜を摂ること、一物全体を基本にすることから野菜類は皮をむかずに芯や根も工夫して食べること、アクを抜かずに茹でこぼさず調理すること、一口ごとに最低30回以上咀嚼すること、などなど。 続きを読む いろいろな制約を持つマクロビオティック

現代の栄養学と相反する部分を持つ東洋思想

マクロビオティックは桜沢如一氏によって体系が完成しましたが、その基礎となったのは石塚左玄氏の食養会です。

石塚氏は明治時代の日本の軍医で、医食同源としての食養を考え、食事療法で病気の治療にも当たりました。

マクロビオティックの身土不二(居住地の自然環境で取れた主産物を主食にする)とか陰陽調和(ナトリウムとカリウムのバランス)などの考え方は、この石塚氏から生まれています。

マクロビオティックには陰陽という東洋思想が根底にありますが、現代の栄養学から見れば食養における定義には部分的に根拠のないところがあり、これがマクロビオティックの評価を二分している要因になっています。

東洋思想に基づく漢方医学が現代の西洋医学と相反する部分があるのと同じですね。 続きを読む 現代の栄養学と相反する部分を持つ東洋思想

江戸で流行った脚気の原因は白米によるビタミン不足

マクロビオティックと無関係でも玄米の有効性は広く知られています。

玄米は日本古来の主食でしたが、江戸時代も元禄の頃になると精米技術が発達して上級武士から一般庶民まで白米を食べるようになりました。

銀シャリ、なんて言葉が生まれたのはこの頃のことですが、おかずはせいぜい一汁一菜。

もちろん、これでは栄養素が足りず、白米ばかり食べている江戸の下級武士や庶民の間では「江戸患い」が流行りました。

この「江戸患い」という病気、じつは脚気のこと。

玄米の外皮に含まれていたビタミンB1を精米して取ってしまったために欠乏症から脚気になったといわれています。 続きを読む 江戸で流行った脚気の原因は白米によるビタミン不足

栄養の宝庫である玄米をおいしく炊く

日本古来の玄米、栄養学でも評価されています。

文部科学省が発表している日本食品標準成分表のひとつに白米と玄米を100g炊いた時、白米の栄養素を100とし、それに対する玄米の栄養素を比べた表があります。

この日本食品標準成分表を見ると、食物繊維は600%、ビタミンEは1200%、ビタミンB1 は513%、マグネシウムは478%、他にも一価不飽和脂肪酸やビタミンB5、カリウムやカルシウムなど、あらゆる栄養素が白米より多く含まれていることが分かります。

それでも玄米が普及しないのは玄米の味や香り、食感によるものでしょう。

玄米を最初に食べて苦手意識が生まれた人は数多くいるはず。

なにしろ玄米は白米のように炊くとボソボソになり、固くて食べるのに苦労するほどです(その意味もあってマクロビオティックスでは一口30回を推奨しているのですけれど)。 続きを読む 栄養の宝庫である玄米をおいしく炊く

玄米を無理なくおいしく食べる方法

玄米に対する抵抗感は子供や女性よりも、成人した男性の方が強い傾向にあります。

やはり白米を「かっこむ」ような食事のスタイルに慣れているせいでしょう。

ふっくら炊けた玄米でも、さすがに白米のように食べられず、それなりに噛む必要がありますし、白米に比べれば香りや食感も違います。

そんな玄米嫌いの男性に向ける玄米のおいしい食べ方をご紹介しましょう。

ふっくらと炊いた玄米(これだけはきちんと炊いてくださいね)はコーティングすると玄米の苦手な人でもずっと食べやすくなります。

たとえばカレーをかける、とか。

スパイシーな香りは玄米の香りを消し、ルウは食感を包み込みます。 続きを読む 玄米を無理なくおいしく食べる方法