人と人のつながりを再確認する料理

ソウルフード発祥の地、アメリカに戻って。

ソウルフードを前にした黒人たちはファミリーディナーの前に必ず全員が手をつなぎ、輪を作って祈りを捧げます。

その祈りはキリスト教に基づく神への感謝と同時に、奴隷時代を生き抜いた祖先がいたからこそ、今の自分たちがいる、親戚と家族が集まって食事ができる幸せがある、という祖先への感謝も込められています。

ソウルフードという言葉は奴隷時代に生まれた言葉ではありません。

奴隷制度が廃止され、なお人種差別が公然と行われていた1960年代に生まれた言葉です。

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ソウルフードという言葉を用いることによって、奴隷制度を生き抜いてきた祖先がいたからこそ現在の自分がいるという感謝の気持ち、祖先との魂のつながり、そして悲惨な奴隷制度を風化させず、魂を呼び起こせるように、そんな気持ちを込めて伝統食にこの名前をつけたのです。

ソウルフードにはいくつかの条件がありました。

安価で栄養素が高いこと、家庭で作れるポピュラーな料理であること、ドメスティックであること、そして時には感傷的な背景から生まれた料理であること、など。

それらにもうひとつ付け加えるなら、時空を超えた人とのつながりがあることです。

鍋料理のように家族で囲んで食べる料理、異国から訪れてその国の人種に合うように作る料理、さまざまな文化が流入してもそれに抵抗せず受け入れる料理、それらにはすべて、人と人のつながりがあります。

ソウルフードとは、究極的に人と人のつながりを感じさせる料理のことなのです。

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